IKEA(イケア)の家具を店舗に行かずに買う方法
手頃な価格と品質・デザインの絶妙なバランス、オシャレなイメージが人気を呼び、
日本でもすっかり定着した感がある。
IKEAの店舗に行くと、買うつもりがない家具もついつい見入ってしまう。
ソファの座り心地を試したり、この照明をウチのリビングに置いたら…なんていう妄想を働かせる。
雑貨や小物が充実しているのも良い。
おかげで気付くと大抵何かしら購入している。
歩き疲れたらカフェに入るといい。
IKEAの家具で統一されたカフェは、オシャレなだけでなくコスパが抜群だ。
ソフトクリームはなんと50円である。
欲張って頼み過ぎてしまわないよう注意が必要だ。
こんな具合に、とにかく店内を見て回るだけでも楽しいし飽きない。
単に需要のある家具を作って売るというだけでなく、家具屋をエンターテイメントに昇華したという点で、IKEAは画期的な存在だと思う。
しかし、そんなIKEAにも問題がないわけではない。
1つは、実際に店舗に行って買い物できる人が多くないという点だ。
国内のIKEAの店舗は、この記事を書いている2015年8月の時点で、たったの8店舗しかない。
また、地域的にも首都圏に4店舗、関西に2店舗、福岡、仙台に1店舗づつと、偏在してしまっている。
かくいう筆者の住む地域にも長らくIKEAはなく、最近ようやくオープンしたばかり。
筆者もずっとIKEA難民だったのだ。
もう1つ大きな問題がある。
7~8年前に横浜旅行に行った際、わざわざ港北店まで足を運んだことがある。
その時にいい感じの椅子を見つけたのだが、鉄道旅行だったので持ち帰ることができなかった。
配送してもらおうとしたら、自宅が配送エリアから外れるのでできないと言う。
今どき遠方配送不可とは珍しいなと驚きながら、その場で買うのは諦めて、自宅に帰って注文しようとしたら、ネットショップがないことを知ってさらに驚いた。
つまり、遠方に住んでいると、正規のルートではIKEAの商品は手に入らないのだ。
これは8年経った今でも変わっていない。
日本にIKEAが定着したなどと感じているのは、近所にIKEAがある人だけなのかもしれない。
では、遠方に住む人がIKEAの家具を手に入れるには、車で店舗に乗りつけるしかないのかというと、実はそうではない。
今では、自分の代わりにIKEAの商品を店舗で買って発送する、買付代行というサービスを提供している会社があるからだ。
買付代行会社は、注文が入るたびに顧客の代わりにIKEAで商品を購入し、梱包・発送してくれる。
ネットショップがないというIKEAの弱点をカバーしながら、IKEAには売り上げをもたらし、IKEAが欲しいけど買えないという遠方の顧客にはIKEAの商品を届ける。
自社では在庫を持つ必要がないので、会社運営はほぼノーリスクでできる。
顧客・仕入れ先・そして自社、三方すべて良しの、シンプルで実に素晴らしいビジネスモデルといえる。
閑話休題。 買付代行会社のビジネスを称賛していても仕方がない。
元はと言えば、今どき遠方への配送と公式ネットショップを展開していないIKEAの怠慢が原因なのだから。
ここで買付代行会社にまつわる課題についても書いておこう。
まず、宅配便を使って配送する関係で、大型家具の取り扱いがない場合がある。
IKEAの店舗では、ベッドや大きなテーブル、椅子なども売られているが、買付代行会社のHPには載っていないことが多い。
たとえ取り扱いがあっても、送料は高額になることがほとんどである。
次に、買付代行会社の販売価格は、IKEAの販売価格よりも高い値付けがされている。
これは、卸売りではなく買付代行会社がIKEAの店頭で直接買い付けているので致し方ない。
この仕組みを理解し、上乗せされる分は代行手数料であると割り切れる人でないと、変なストレスを感じてしまうかもしれない。
最後に、代行会社も何十社とあるので、会社間の競争の結果が商品の価格差として現れてくる。
しかも一律何%違うというわけではなく、ジャンルや個々の商品によってバラバラだったりする。 送料計算の仕方も会社によって微妙に違う。
それゆえ、どこで買うと安いのかをきちんと比較しようとすると、かなり面倒なのである。
そこで、手間暇かけてもとにかく安く手に入れることを追求するのか、
手間と価格のバランスを取って妥協するのか、あらかじめ決めておいた方が良い。
買った後でやっぱりあっちの方が安かった、こっちにすればよかった、と一喜一憂することになりかねないからだ。
こうした点を十分理解・納得した上で利用するのであれば、店舗に行けない人にとって、買付代行は実に便利なサービスである。
また、車ではなく公共交通機関を使って店舗に行く人も知っておいて損はない。
交通費にIKEAから自宅への商品の配送料を加えると、買付代行を通じて買った方が安くつく場合もあるからだ。
もっとも、「IKEAに行くこと」自体が目的の1つならば、多少経費がかかっても店舗に足を運ぶほうがいいだろう。